説明
2023年で80歳を迎えたマルコ・ペッテリーノ。弟のジャンカルロとともに、2.5haの畑から至上のネッビオーロ酒を造り出す。ある若手の生産者に感動したワインとしてソルデラ、リナルディと並び、マルコ・ペッテリーノの名前を教えてもらえたことから知り合うことが出来た。
畑は、ガッティナーラのうち、ペルモローネ、カステッレ、グアルディエの3つ丘に約 10 の区画を所有。斜度のきつい畑の中にはテラスになっておらず、トラクターでの作業ができない畑もあるそうで、そういう畑は鍬で作業をするというから驚きだ。マルコは膝を悪くしてしまったので、今はジャンカルロのできる範囲で畑の作業を行っているそうだ。樹齢は 80-100 歳のものも多く残るが、適宜植え替えを行うため、平均樹齢は 5、60 年程度か。畑の耕作はせず、草を刈るのみ。病害対策には化学合成の防カビ剤を使用。数年に一度雹の被害があるが、遅霜の被害はほぼ無く、気候変動の影響もそこまで感じてはいないそうだ。
2 人の初醸造は 1982 年。父の代までは家用のワイン以外のブドウは協同組合に売っていた。収穫の時には親戚が手伝いに来てくれるそうだが、通年二人で栽培と醸造を行っている。収穫したブドウは除梗し、一つ目のタンクは酵母添加をして発酵を開始。それ以降のタンクは発酵中の果汁をスターターとして使用して、醗酵がスムーズに開始されるようにしている。冬前に一次発酵は終わらせ、マロラクティック発酵は通常春に始まる。マセレーションは 2 週間ほどで、垂直プレスで圧搾を行う。醸造設備はコンパクトで最低限で、樽も 1982 年の醸造開始以来変えたことがない。
香り高くエレガントで単純においしいこと以上に、現代のワインにはない、これからの時代にはこういうワインが造られることはもうないのだろうと、少し寂しく思わせるような古き良きネッビオーロ酒の美しさを備えたワイン。樽熟成後もステンレスタンクに移し更に数年熟成させてから瓶詰をする、時間をかけることのみが出せる味わい。